メディカル葵出版

新 糖尿病眼科学一日一課

新 糖尿病眼科学一日一課

初版から7年、糖尿病の治療、眼合併症の診断、治療の進歩に伴い、待望の改訂版刊行!

編集 堀 貞夫(東京女子医科大学 教授)
山下 英俊(山形大学 教授)
加藤 聡(東京大学 講師)
定価 10,120円(本体9,200円+税)
体裁 B5型 総224頁 写真・図・表 多数収載

執筆者(執筆順)

岩本安彦,岩崎直子,船津英陽(以上,東京女子医科大学)
山下英俊,佐藤武雄,佐藤浩章(以上,山形大学)
山本禎子(東邦大学)
加藤 聡(東京大学)
山本修一(千葉大学)
早川和久(琉球大学)
堀 貞夫(東京女子医科大学)
川崎 良,芳賀真理江(以上,山形大学)
北野滋彦(東京女子医科大学)
福嶋はるみ(東京大学)
須藤史子(埼玉県済生会栗橋病院)
富田剛司(東京大学)
井上賢治(井上眼科病院)
大平明彦(若葉眼科病院)
善本三和子(東京逓信病院)
小松美智子,林 佳枝,鈴木早苗,木所篤子,佐藤あゆみ(以上,東京女子医科大学)


本書の初版が出版されて7年余がたった。この間に糖尿病自体の治療や合併症の診断と治療が大きく変遷し進歩した。 ことに糖尿病網膜症と糖尿病黄斑浮腫の発症と進展に関与するサイトカインの研究が進展し、病態の解明が大きく前進した。これを踏まえて、発症と進展に関与 する薬物療法の可能性を追求する臨床試験が進んでいる。糖尿病網膜症に関しては、以前のように手を着けられないまでに進展した増殖糖尿病網膜症の症例をみ ることが少なくなったように感じる。 一方で、視機能、ことに視力低下に直接つながる糖尿病黄斑浮腫の治療は、現時点で最も論議が活発な病態となっている。硝子体手術やステロイド薬の投与の適 応と効果について、初版が出版された頃に比べると大きく見解が変化している。そして、糖尿病黄斑浮腫の診断に大きな効果を発揮する画像診断装置が普及し た。

改めて、本書が糖尿病眼合併症による失明防止の一助になることを切望する。

(序文より)


内容目次

I 糖尿病の病態と疫学
1.糖尿病の代謝異常/2.糖尿病の遺伝相談/3.糖尿病眼合併症の疫学 /4.糖尿病合併症(血管病変)の分子メカニズム
II 糖尿病網膜症の病態と診断
1.眼底検査法/2.単純網膜症/3.増殖前網膜症/4.増殖網膜症/5.糖尿病網膜症の硝子体所見/6.糖尿病網膜症の進展速度/7.糖尿病網膜症の進展に関与する因子
III 網膜症の補助診断法
1.FAG施行上の注意点/2.ICG螢光眼底造影/3.糖尿病網膜の電気生理検査/4.糖尿病における網膜循環/5.糖尿病網膜症における超音波画像診断/6.糖尿病眼におけるバリア機能測定/7.OCT検査法/8.その他の画像解析(RTA,SLO)
IV 糖尿病網膜症の病期分類
1.Scott分類/2.福田分類/3.Davis分類/4.ETDRS分類
V 糖尿病網膜症の治療
1.網膜症の治療方針/2.糖尿病網膜症と血糖コントロール/3.糖尿病網膜症の薬物治療の可能性/4.選択的光凝固法/5.汎網膜光凝固(PRP)/6.硝子体手術の概念-対象,ゴール/7.糖尿病網膜症に対する硝子体手術/8.硝子体手術機器の解説
VI 糖尿病黄斑症
1.黄斑症の疫学/2.病理と病態/3.薬物療法/4.光凝固療法/5.硝子体手術/6.その他の治療法/7.黄斑沈着
VII 糖尿病と白内障
1.糖尿病白内障/2.白内障手術適応と血糖コントロール/3.白内障手術と糖尿病網膜症
VIII その他の糖尿病眼合併症
1.血管新生緑内障の病態/2.血管新生緑内障の治療/3.糖尿病性角膜症/4.糖尿病虹彩症と糖尿病虹彩炎/5.糖尿病による視神経障害/6.眼球運動障害/7.屈折・調節異常
IX 網膜症と関連疾患
1.網膜静脈閉塞症と糖尿病/2.腎症と網膜症/3.神経障害/4.糖尿病合併妊婦の網膜症管理/5.高血圧/6.1型糖尿病
X 糖尿病網膜症による中途失明
1.中途視覚障害の原因としての糖尿病網膜症/2.網膜症患者の心理・社会的問題とソーシャルワーク支援/3.中途視覚障害者のリハビリテーション/4.糖尿病網膜症に対するロービジョン外来/5.社会資源・社会復帰施設一覧
XI 糖尿病眼科における看護
1.外来における看護/2.病棟における看護/3.手術室における看護