メディカル葵出版

網膜静脈閉塞症

網膜静脈閉塞症

眼科疾患の中で全身疾患との関連が深く、かつ症例の多い網膜静脈閉塞症についてのわが国ではじめての単行本!

著者 戸張 幾生(東邦大学 名誉教授)
定価 17,000円(本体17,000円+税)
体裁 A4変型 総124頁 写真(カラー・モノクロ)203点

眼科疾患には角膜疾患、白内障、緑内障、黄斑疾患などの眼科特有の疾患がありますが、全身疾患との 関連が深く、かつ症例の多い疾患に糖尿病網膜症と網膜静脈閉塞症があります。糖尿病網膜症の著書は多 数刊行されていますが、網膜静脈閉塞症については単独の著書は見あたりません。

日常診療において治療する機会の多い網膜静脈閉塞症には、中心静脈閉塞症、分枝静脈閉塞症、半側 中心静脈閉塞症があります。その発症原因には、全身因子としての多くの背景疾患や、局所因子としての網 膜組織の多彩な病変があります。同じような症例でも、さまざまな経過をたどります。

著者は過去35年間に約4,000例をこえる静脈閉塞症の治療を行ってきました。治療の折にふれ文献を調 べているうちに、網膜静脈閉塞症には実に多くの事柄が関連していることを学んできました。本書を執筆し た動機は、一人の眼科医が4,000例以上の網膜静脈閉塞症を経験し、3,000例をこえる光凝固治療を施行 する機会はないのではないかと思い、自験例を含めて網膜静脈閉塞症に随伴する多彩な事柄をまとめて記 載し、網膜静脈閉塞症を理解していただくことは、これから学ぶ諸先生のお役に立つのではないかと考えた ためです。

(序文より)


内容目次

I 疫学・統計
1.疫学/2.統計
II 発生機序と病理
1.CRVOの発生機序と病理/2.BRVOの発生機序と病理/3.BRVOと動静脈交叉
III 分類
1.CRVOの分類/2.BRVOの分類/3.Hemi-CRVO(半側網膜中心静脈閉塞症)
IV 自然経過
1.CRVOの自然経過/2.BRVOの自然経過
V 臨床所見
1.眼血流動態/2.血液/3.軟性白斑/4.BRVOと大きな血管瘤・網膜細動脈瘤/5.硝子体/6.BRVOと網膜裂孔/7.BRVOと滲出性網膜剥離/8.緑内障
VI 合併症
1.CRVOと毛様網膜動脈閉塞/2.頸動脈海綿静脈洞瘻(CCF)/3.CRVOとoptociliary vein/4.合併症
VII 検査
1.BRVOと屈折/2.CRVOと瞳孔/3.視野/4.ERG・多局所網膜電図・EOG・パターンVECPとBRVO/5.CRVOとICG(インドシアニングリーン螢光眼底造影)/6.網膜厚解析装置(RTA)、光干渉断層計(OCT)/7.BRVOと血液眼柵
VIII 治療
1.薬物治療/2.高気圧酸素療法・星状神経節ブロック/3.光凝固治療/4.硝子体手術